今回は、ウェブ広告の特長である見える化の仕組みについて整理します。
運用方針に従った施策を打つ
広告運用方針としては、下記の2つの軸があります。
・CV最大化
・CPA最適化
CVは配信ボリュームを増やす方向の施策である一方、CPAは配信ボリュームを減らす方向の施策になります。開始当初は的が絞れないため、CV最大化を軸に運用し、数か月してCVの傾向がみえてきたら、CPA最適化へ移行します。そうしていると予算の余剰が出てくるのでその分をターゲット拡大などに振り向けCV最大化に切り替え、またCPA最適化に切り替えといったように交互に繰り返し、当初の目標達成を目指していきます。
ロジックツリーの利用
CVを増やすためには何をすればいいか?CPAを減らすためには何をすればいいか?を誰もが分かるようにしたものがロジックツリーといわれるツールです。ウェブで「広告指標 ロジックツリー」と検索するといろいろな例が出てきますので興味のある方は調べてみてください。
ロジックツリーの例を下記に挙げます。
コンバージョン数が少ない
├─ トラフィックが少ない
│ ├─ インプレッションが少ない
│ │ ├─ キーワードの検索ボリュームが低い
│ │ ├─ 入札単価が低すぎて表示されていない
│ │ └─ 広告品質スコアが低い
│ └─ クリック率(CTR)が低い
│ ├─ 広告文の訴求力が弱い
│ ├─ 広告表示位置が悪い
│ └─ ターゲティングが不適切
└─ コンバージョン率(CVR)が低い
├─ ランディングページの最適化不足
├─ フォームが複雑
└─ オファーが魅力的でない
CVが少ないということは、CV=クリック数×CVRなので、CVを上げるには、クリック数を上げるか、CVRを上げる施策が有効であると言えます。実際は、やみくもにCVを上げても質が悪ければ、最終的な目標は達成できないため、CVの質を見極めることも重要です。クリック数=インプレッション×CTRなので、インプレッションを上げる、CTRを上げることで、クリック数を上げることができます。CVRを上げる場合、CVR=クリック単価/CPAとなりますが、クリック単価とCPAは無関係であるため、CVRに影響するのは、LPの問題、オファーの問題といったコンテンツの部分になる点がポイントです。
つぎにCPAを下げるには?のロジックツリーを下記に示します。
CPAが高い
├─ CPCが高い
│ ├─ 入札単価が高すぎる
│ │ ├─ 自動入札の設定が適切でない
│ │ ├─ 広告グループが細分化されすぎている
│ │ └─ 入札戦略を見直す(例: 限界CPA入札)
│ ├─ 競争が激しく、オークションでのCPCが高騰
│ │ ├─ 競合が増加している
│ │ ├─ 高CPCのキーワードに過剰投資
│ │ └─ 低競争のロングテールキーワードを活用
│ ├─ 広告品質スコアが低い
│ │ ├─ クリック率(CTR)が低い
│ │ │ ├─ 広告文が魅力的でない
│ │ │ ├─ クリエイティブがターゲットに刺さっていない
│ │ │ ├─ 広告表示オプションを活用していない
│ │ │ └─ 広告のターゲティングが適切でない
│ │ ├─ ランディングページの関連性が低い
│ │ └─ 広告表示の予測CTRが低い
│ └─ 無駄なクリックが多い
│ ├─ 広告のターゲティングが広すぎる
│ ├─ 意図しない検索クエリに広告が表示されている
│ ├─ 除外キーワード設定が不足している
│ └─ ネガティブオーディエンスの設定ができていない
└─ CVRが低い
├─ ランディングページの最適化不足
│ ├─ ファーストビューで訴求力が弱い
│ ├─ 読み込み速度が遅い
│ ├─ スマホ最適化されていない
│ ├─ フォームが複雑で離脱されている
│ └─ CTA(Call To Action)がわかりづらい
├─ オファーが魅力的でない
│ ├─ 価格や特典が競合より弱い
│ ├─ 無料トライアルや割引が不足している
│ ├─ ターゲット層とオファーが合っていない
│ └─ 訴求ポイントがズレている
├─ ターゲットの精度が低い
│ ├─ 広告が適切なオーディエンスに届いていない
│ ├─ カスタムオーディエンスが適切でない
│ ├─ 類似オーディエンスの精度が低い
│ └─ クリックユーザーとコンバージョンユーザーが一致していない
├─ リマーケティング施策が不足
│ ├─ 再訪問ユーザー向けの広告がない
│ ├─ カート落ちユーザーへのリターゲティングをしていない
│ └─ 過去のコンバージョンユーザーへのクロスセルがない
└─ 広告の配信面や時間帯が最適化されていない
├─ クリックは多いがコンバージョンしない時間帯がある
├─ 広告が適切なデバイスで配信されていない
├─ 配信面(例: ディスプレイ vs 検索広告)が適切でない
└─ ユーザーのコンバージョンまでの流れを分析できていない
CPA=CPC/CVR であるため、CPCを下げ、CVRを上げることで、CPAを下げることができます。それぞれの指標についてどのような対策を講じると有効かをロジックツリーを使って整理しています。さらにロジックツリーは運用の指針として活用できるだけでなく、広告主への施策提案にも役立ちます。配信結果で問題のある指標に対する打ち手をロジカルに説明できるので、説得力を持たせることができます。
インプレッションシェア
入札に参加している広告すべての表示回数のうち、自分の広告の表示回数が全体の何割を占めているかを表す数値がインプレッションシェアであり、逆に表示されなかった割合がインプレッションシェア損失率になります。一言でいうと「広告表示の機会損失」です。
原因としては、予算不足による、広告ランクによるといったものが挙げられます。
予算不足による場合は、予算配分を見直す、配信時間帯を見直すといった対策があります。広告ランクによる場合でも予算を上げることで広告ランクを上げることができます。
インプレッションシェアを増やすにはあといくら必要?
どのくらい予算をあげるといいのかは、下記の計算で算出できます。
インプレッションシェア1%あたりの費用=費用/検索広告のインプレッションシェア(%)
100%にするために必要な費用=インプレッションシェア1%あたりの費用×インプレッション損失率(%)
損失率40%の場合、倍の予算を投下すると大体100%になります。
今回は、ウェブ広告の見えるかのしくみである指標のロジックについて整理しました。
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